秋の俳句で有名なものを一覧でご紹介!秋のイメージが強いあの代表的な句も!

さまざまな季語が使われ、季節を色濃く感じることのできる俳句。

こちらの記事では、

  • 秋の俳句で有名なものを一覧でご紹介!
  • 秋のイメージが強いあの代表的な句も!

 
についてご紹介します。

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秋の俳句で有名なものを一覧でご紹介!

秋の俳句

 

秋の俳句に使われる季語とは、旧暦の「7月~9月」のものをいいます。現代の新暦でいえば、おおよそ8月~10月ころのイメージになりますね。

晴れやかな夏が終わり、日を増すごとに寒くなってくる秋は、物思いにふける俳人も多くいました。そのため、どこか物悲しいような、切ないような感情を詠んだ句も多くなっています。

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秋のイメージが強いあの代表的な句も!

秋の俳句

 

それではさっそく、有名な秋の俳句をご紹介しましょう。

柿くえば 鐘が鳴るなり 法隆寺

・俳人名:正岡子規
・季語:柿
・意味:立派にそびえたつ法隆寺を眺めながら柿を食べていると、時を告げる鐘の音が響いてきた。その音は建物や裏山に響き渡りながら、次第に里の方へ下りてゆくようだ。

四五人に 月落ちかかる をどり哉

・俳人名:与謝蕪村
・季語:踊り
・意味:次第に月も沈みかけ、楽しかった盆踊りも既に踊っているのは少数となってしまった。

露の世は 露の世ながら さりながら

・俳人名:小林一茶
・季語:露
・意味:すぐに消えてしまう露のように、人生は儚いものである。しかし誰しもがそれを知っていながら、諦めることなどできないのだ。

啄木鳥や 落葉をいそぐ 牧の木々

・俳人名:水原秋櫻子
・季語:啄木鳥
・意味:キツツキが木を叩くリズムに合わせて、木々も葉を忙しなく落としているようだ。

肩に来て 人懐かしや 赤蜻蛉

・俳人名:夏目漱石
・季語:赤蜻蛉
・意味:肩にふいにとまった赤とんぼを見ていると、何だか懐かしい人に会ったような気持ちになる。

白露や 茨の刺に ひとつづつ

・俳人名:与謝蕪村
・季語:白露
・意味:庭に降りた朝露は、茨の刺の先端に一つずつ丁寧にくっついている。

秋深き 隣は何を する人ぞ

・俳人名:松尾芭蕉
・季語:秋深し
・意味:秋がだんだんと深まるにつれ、一人で過ごすには物寂しい季節になってきた。隣の人は一体何をしているのか、つい窺ってしまう。

鰯雲 ひとに告ぐべき ことならず

・俳人名:加藤楸邨
・季語:鰯雲
・意味:あの空のイワシ雲を眺めているのは、誰にも言えない感情を抱え、上を向くしかない人々だけである。

秋の暮れ 道にしゃがんで 子がひとり

・俳人名:高浜虚子
・季語:秋の暮れ
・意味:夏とは違い、だんだんと日が短くなってくる秋。まだ帰りたくないというように、道の真ん中に子供が一人しゃがみこんでいる。

秋風や むしりたがりし 赤い花

・俳人名:小林一茶
・季語:秋風
・意味:子供を亡くして墓参りに行く途中、秋風に赤い花が揺れているのが見える。思えばあの子がよくとりたがっていた花で、つい目に涙が浮かんでしまう。

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まとめ

秋の俳句

 

今回は有名な秋の俳句をピックアップしてご紹介しました。現代人の私たちでさえ、どこか物悲しい気持ちにさせられる「秋」。私たちよりももっと風景や自然に耳を傾けていた俳人たちには、秋がどのように感じられていたのかが分かりますね。