冬の俳句の名作を一覧でご紹介!作者や意味も併せてチェック!

さまざまな季語が使われ、季節を色濃く感じることのできる俳句。

こちらの記事では、

  • 冬の俳句の名作を一覧でご紹介!
  • 作者や意味も併せてチェック!

 
についてご紹介します。

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冬の俳句の名作を一覧でご紹介!

冬の俳句

 

一面に広がる銀世界や、寒さでかじかんだ手指の痛みなど、さまざまな情景が俳句になる冬。多くの俳句がある中から、今回は特に有名なものや心惹かれるものを厳選してご紹介します。

俳句の世界では現在も旧暦を用いており、冬の俳句に当たるのは「10月~12月」のこと。寒さを詠んだ句もあれば、いつか来たる春の暖かさを待ち望んだ句もあり、見ているだけでも情景が伝わってくるようです。

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作者や意味も併せてチェック!

冬の俳句

 

それではさっそく、冬の俳句の中からおすすめのものをご紹介しましょう。

寒月や 門なき寺の 天高し

・俳人名:与謝蕪村
・季語:寒月
・意味:つーんとするほどの寒空を見上げれば、門のない寺の上に月が綺麗に映えて見える。

遠山に 日の当たりたる 枯野かな

・俳人名:高浜虚子
・季語:枯野
・意味:何もないように見える枯野でも、遠くの山にはしっかりと日が当たっている。

凩や 海に夕日を 吹き落す

・俳人名:夏目漱石
・季語:凩
・意味:冷たくて強い木枯らしは、冬にかすかな暖かさを授けてくれる夕日ですらすぐさま海に落としてしまうのだ。

海に出て 木枯帰る ところなし

・俳人名:山口響子
・季語:木枯
・意味:私たちの元を去り、そして海に出ていった木枯らしは、もはや帰るところなどどこにもないかのようだ。

冬蜂の 死に所なく 歩きけり

・俳人名:村上鬼城
・季語:冬蜂
・意味:既に居場所を失った蜂がふらふらと歩いている。もはや飛ぶ元気もなければ、死ぬ場所すら決まっていないのだろう。

咳の子の なぞなぞあそび きりもなや

・俳人名:中村汀女
・季語:咳
・意味:風邪をひいて寝込んでいる子供は、暇なのか咳をしながらでもひっきりなしになぞなぞ遊びをねだってくる。

旅に病んで 夢は枯れ野を かけめぐる

・俳人名:松尾芭蕉
・季語:枯れ野
・意味:旅の途中で病に倒れ、布団の中で見た夢はあちらこちらの冬の野を元気よくかけめぐる自分の姿だった。

いざ行かん 雪見にころぶ 所まで

・俳人名:松尾芭蕉
・季語:雪
・意味:さあ雪を見に行こう、たとえ転んだとしてもかまわない。

斧入れて 香におどろくや 冬木立

・俳人名:与謝蕪村
・季語:冬木立
・意味:一見枯れ木のように見える冬の木々も、斧で切り付けてみれば新鮮な木の匂いがしてくる。

大晦日 定めなき世の さだめかな

・俳人名:伊原西鶴
・季語:大晦日
・意味:この先は何が起こるか全く決まっていないが、大晦日だけは常に決まり通りの日程でやってくる。

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まとめ

冬の俳句

 
今回は冬の季語を使った俳句をピックアップし、意味と共にご紹介しました。「寒い」という情景の中から、悲しい気持ちやわくわくする気持ちなどさまざまな感情が溢れ出る俳句の数々。皆さんも日常の風景を切り取って、言葉と共にしたためてみてはいかがでしょうか。