さまざまな季語が使われ、季節を色濃く感じることのできる俳句。
こちらの記事では、
- 夏の俳句にはどんなものがある?
- 有名俳句おすすめ一覧や作者・意味も合わせてご紹介!
についてご紹介します。
夏の俳句にはどんなものがある?
「夏の俳句」というと、夏真っ盛りの情景を思い浮かべることでしょう。しかし俳句の場合は「旧暦」を使用するため、現代の「新暦」とは若干誤差が生じます。
夏の俳句は、旧暦でいう「4月~6月」の間のことを詠んだ俳句です。暑さ本番というよりは、これから次第に暑さを増してくることへの感情や、気持ちが落ち込みやすい梅雨の情景などを詠んだものが多く見られますよ。
有名俳句おすすめ一覧や作者・意味も合わせてご紹介!
それではさっそく、夏の俳句の中から特に有名なものをピックアップしてご紹介します。
・俳人名:松尾芭蕉
・季語:夏草
・意味:かつてこの場所では兵たちが刀を振るっていたのに、今となってはそれが夢だったかのように夏草が生い茂っている。
・俳人名:松尾芭蕉
・季語:蝉
・意味:ほかに何も聞こえないくらいの静かさの中では、蝉の声も岩の中に染み込んでいくように感じられる。
・俳人名:中村草田男
・季語:万緑
・意味:一面に緑が広がる夏のある日、幼い我が子に歯が初めて生えていた。緑の中に一点の歯が、白く映えてとても美しい。
・俳人名:加賀千代女
・季語:朝顔
・意味:朝顔の蔓がつるべに巻きつき、井戸から水を汲めなくなってしまった。
・俳人名:松尾芭蕉
・季語:五月雨
・意味:五月となり多くの雨が降り、最上川の流れも一層速くなっている。
・俳人名:与謝蕪村
・季語:蛍
・意味:幼虫の頃に過ごしてきた水底は、今となっては帰ることのできない場所。光る蛍は、それを見て恋焦がれているように見える。
・俳人名:高浜虚子
・季語:緋鯉
・意味:水面につつじの鮮やかな色がくっきりと映りこんでいる中、その色に負けないかのように鮮やかな緋色の鯉が泳ぎ出てきた。
・俳人名:山崎宗鑑
・季語:団扇
・意味:あの真ん丸の満月に絵を施したならば、きっと素敵なうちわが出来上がることだろう。
・俳人名:芥川龍之介
・季語:青蛙
・意味:ツヤツヤに輝いたような緑の蛙は、生まれ持った色であるはず。しかし自分はといえば、出来損ないにペンキを塗りたくったかのような中身のない人間だ。
・俳人名:小林一茶
・季語:蟻・雲の峰
・意味:どこまでも長く続いているこの蟻の行列は、きっとあの入道雲から途切れずに続いてきたのだろう。
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まとめ
今回は夏の俳句の中から、有名なものや心惹かれるものをいくつかピックアップしてご紹介しました。私たちがつい見逃してしまいそうな平凡な情景も、見方を変えれば素敵な俳句に生まれ変わります。俳人によって特徴の違いが色濃く感じられるのも、俳句の面白さといえるでしょう。